女性の権利の要求


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世界中の女性たちは権利を求めています。そして過去と現在を見渡しても、イスラーム法ほど女性の権利を保護し、維持するシステムは存在しません。このことは本書でその確認と実証がされるでしょう。


著名な英国人思想家・哲学者であるハミルトン卿は、その著「イスラームとアラブの文明(Islam and Arab Civilization)」でこう述べています:


“イスラームによる女性に対する決まり・規制・法規定は明瞭かつ率直であり、オープンなものです。イスラームでは、女性が個人的に蒙る可能性のあるあらゆる害悪や、彼女の人格への誹謗中傷などに対し、付与されるべき保護を第一に優先するのです。”


また著名なフランス人心理学者であるギュスターヴ・ル・ボンは、その著「アラブ文明(The Arab Civilization)」でこう述べています:


“イスラームにおける徳行は女性への名誉の授与、敬意の表明に限られたものではない。イスラームこそが、女性に名誉と尊厳を与えた最初の宗教であると付け加えることも出来るのだ。イスラーム以前のあらゆる宗教や国家が、女性に対しての大きな害悪と侮辱をもたらした事実から、我々はこれを容易に証明することが出来るのである。”[p.488]

 


また、彼はこうも指摘しています:


“聖クルアーン、そしてその注釈書の翻訳によって叙述されている夫婦間の権利は、ヨーロッパにおける夫婦の権利よりも卓越しているのである。”[p.497]


イスラームは1400年以上も前に、アッラーの預言者であるムハンマド・ブン・アブドッラー (r) の宣教により、マッカ(メッカ)とマディーナ(メディナ)を中心として世界中に広がりました。イスラームは、アッラーによって啓示された栄光の書であるクルアーンと、イスラーム法において確証されたもう一つの法源である預言者 (r) のスンナ(預言者の言行集)の教えによってその光を輝かせました。イスラームによる教えとその法体系は、イスラーム信徒にとって非常に大きいインパクトをもたらし、その結果ムスリムたちが移住した土地の社会にも影響を与えました。イスラームは世界に向けて驚くべき程の急速な広まりを見せ、人生の全ての需要を満たす包括的システムを残したのです。イスラームは、人間の存在と生存にとって必要とされるあらゆる合法かつ健全で意義のある要素と矛盾することもなく、またそこに軋轢も生じず、かつそれを否定もしません。

 


さてイスラームが女性にもたらした変化を理解するためには、イスラーム以前のアラブ人社会、そして世界の他の地域の文明における女性の地位を簡潔に考察していかなければなりません。

 

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